トラリピ|複数通貨の決定版!?6通貨運用のパフォーマンスを検証!

こんにちは、アビ(@chan_abi_blog )です。

今回は、複数通貨運用に関する記事です。

6通貨を運用するのであれば、どのくらいの資金で運用すべきなのか、過去データを元に考えてみました。

トラリピだけでなく、リピート系FX全般に共通していることなので、参考にしていただければ幸いです。

6通貨運用を調査するきっかけ

先日Twitterにて、大変興味深い記事を見つけました。

記事の執筆者は、トラリパーのイモラさん(@imoimoimora) です。

記事の本旨は、より資金効率をUPさせるために、相関性の低い通貨ペア同士を運用させるというもの。

通貨ペアの選定理由や、必要資金の算出など、とても読み応えのある記事なので、ぜひ皆さんご一読ください。

参照記事:トライオートFXで低相関の6通貨ペア運用を開始!

この記事に影響を受けて、以下の点を調査したくなりました!

6通貨運用の気になるポイント

 必要運用資金
 運用パフォーマンス
 含み損の分散具合
 より長期的な運用について
 EUR/GBPの活躍具合

特に運用資金については、イモラさんも次のように述べられています。

同感です!本当にその通りだと思います!

ですので、この辺は少し本腰入れて調査してみるつもりです。

細かい話も挟みますが、最後までお付き合いいただければ幸いです。

本記事の結論

さて上で紹介した記事内では、6通貨の運用を400万円で運用すると結論づけられていました。

そして本記事の結論としても、この金額には賛成です。

ただ全く同じ結論というのも面白くないですよね。

そこで本記事の付加価値として、上の金額(400万円)に賛同した上で、もう少し減らしてもいけるかも?という提案をさせていただきたく思います。

もっと具体的な数字をいえば、250〜300万円あたりの運用資金でもいけるかもと感じたので、その結論に至るまでのプロセスを、以下より解説していきます。

6通貨運用のパフォーマンスについて

まず今回主役となる6種類の通貨ペアは、以下の設定を想定しています。

上記の設定は、先ほど紹介したイモラさんのブログを参考にさせていただきました。

そして気になるバックテスト結果は、次のようになりました。

運用結果
  • 累計利益:3600157円
  • 平均利益率:31.32%
  • 最大含み損:-1466088円
  • 最大必要資金:2298891円

グラフを見ると、順調に右肩上がりに実現損益を伸ばしつつも、時折大きな含み損を抱えるといった感じでしょうか。

とはいえ、最初の数ヶ月を除いて、実現損益がマイナス収支になっていませんね。

つまり損をしていないということです。

 私の個人的な経験から言えば、6種類もの通貨を組み合わせて、なおかつ利益率が平均30%を超えているのはとても優秀な運用だと思います。

素晴らしい運用結果です!!!

最大含み損について

この運用において、含み損が最も大きくなったタイミングは2020年3月19日AM7:00であり、その額は-1,466,088円でした。

このタイミングにスポットを当てて、各通貨ペアがどれくらいの含み損を抱えているのか、確認した結果が次の通りです。

含み損ピーク時の内訳
次の特徴が明らかになりました!
6通貨ペア運用 含み損の特徴
  • CAD/JPY,NZD/USD,EUR/GBPの割合が大きい
  • EUR/JPYは「売り」のため含み損ゼロ
  • USD/CHF,AND/NZDは分散効果が高い

最大必要資金について

バックテストの結果より、約230万円あれば、ロスカットされずに運用できていたことが分かります。

念のためトライオートFXのシミュレーションについても、全く同じ設定で試してみました。

含み損が最も大きくなったタイミングは、2020年3月18日であり、その額は-1,088,993円でした。

含み損が最大になったタイミングに関しては、だいたい同じですね。

ただ、上図のシミュレーションはいくつか留意すべき点があります。
トライオートFXのシミュレーションについて
  • スプレッド込み
  • 期間が短い:2019.1〜2021.3
  • 資金算出の考え方が違う

特に注意すべきは、トライオートFXのシミュレーション機能では、必要となる証拠金は全注文分として計算されています。

そのため通貨ペア数を増やすたびに証拠金が資金を圧迫していくことになります。

ポジションや含み損を相殺し合う複数通貨の運用では、その時点における約定分で資金を考えた方がいいのでは、と個人的には考えています。

EUR/GBPの運用について

トラリピに新しく追加されるEUR/GBPは、どの程度の活躍が期待できるのか…。

特にポンドは殺人通貨とも呼ばれる通り、扱いが難しいので、足を引っ張るようだったら撤退もやむ無しかと考えていました。

しかし私の予想に反して、かなり活躍してくれる通貨ペアだったので、簡単に紹介しておきます。

EUR/GBP:トラリピ設定
  • トラップ範囲:買 0.72ポンド〜0.84ポンド
  • トラップ範囲:売 0.84ポンド〜0.96ポンド
  • トラップ本数:各61本
  • 通貨量:0.1万通貨

バックテスト結果

運用結果
  • 累計利益:837464円
  • 平均利益率:26.8%
  • 最大含み損:-378294円
  • 最大必要資金:624836円

利益率はかなりの高水準で、トラリピにおけるエース級の通貨ペア、CAD/JPY,NZD/USDに匹敵するパフォーマンスを期待できます。

ただ懸念点があるとすれば、以下のツイートにも書きましたが、より長期で見ればやや下落トレンド気味なところが挙げられます。

完全放置するのではなく、適度にメンテナンスを入れてあげれば、より仕上がった通貨ペアになると思います。

6通貨運用の10年間のパフォーマンスは?

試しに同じ設定で、10年分のバックテストも確認してみました。

運用結果
  • 累計利益:7329692円
  • 平均利益率:30.75%
  • 最大含み損:-1457224円
  • 最大必要資金:2383984円

最大含み損が上で紹介した5年間Verよりも少し小さい値になっていますが、これは元にしている為替データに多少異なる為です。ご容赦ください。

しかし含み損抱えるタイミング自体は全く同じであり、10年スパンで見てもコロナショックが最も大きな傷ということが分かりました。

それにしても利益率30%超えは凄い!

ただより長期になれば、AND/NZDのように、現状の設定とは上手くマッチしない通貨ペアもあります。

AND/NZD:2011〜2021

やはりコチラに関しても完全放置というわけにはいかず、定期的なメンテナンスは必要みたいですね。

複数通貨ペア運用のデメリットとは?

今回取り上げた6通貨ペアの運用を考察する際、自分なりに感じたデメリットについて紹介したいと思います。

それはやはり「通貨ペアごとの撤退が難しい」ということです。

例えばEUR/JPY:売りは、CAD/JPY:買いがあるからこそ、バランスよく運用できています。

円高・円安どちらに向いても、利益が見込めるからです。

そのためどちらか一方だけ停止させるのも、中々気が進まないものですよね。

また含み損の内訳から考えて、AND/NZDやUSD/CHFなどの運用を停めてしまえばどうなるでしょうか?

おそらく残された通貨ペアの含み損は分散されず、一気に偏ってしまうと思います。

つまり複数通貨ペア運用では、含み損の相殺や、タイミングのずれによって運用効率を上げているので、どれか1つだけの運用を思いつきで停止させる、というのが難しいと思いました。

本記事の通貨ペアで言えば、6種類を混ぜるから完成しているのであり、どれか1つでもかけると、また根本的な見直しが必要です。

リンスインシャンプーから、リンスーだけ抽出するのは難しい…みたいな?

複数の通貨ペアを扱うなら、もうそれらの組み合わせが丸ごと1つの金融商品と捉え、長く付き合っていくのが良さそうだと改めて感じました。

結局、最適な運用資金はどのくらい?

本記事のまとめです。

結局、最適な運用資金はどれくらいなのか、私なりに考えをまとめてみました。

まったり運用したい方

1つは300〜400万円と、なるべく大きめの資金を準備して、まったり運用するプランです。

イモラさんは、リーマンショック時の推奨資金まで想定されていたので、かなり安心感ある金額設定だと思います。

参照元サイト:トライオートFXで低相関の6通貨ペア運用を開始!より引用

私が2018年よりFXを始めてから様々な相場変動がありましたが、それでも生き残れているのは資金に余裕を持たせているからです。

また経験則で言えば、大規模な相場変動の最中は正常な判断がしづらいものです。

相場が動いてから何らかの措置を取ろうにも、そこまで追い詰められた時点で既に負けなのです。

生き残るためには、いかに普段から余裕を持って運用できているか、これに尽きると思います。

ある程度リスクが許容できる方

そうは言っても効率よく運用したい…

ある程度リスクは取れるけど、何らかの安心材料を持って運用資金を決めたいという方は、こちらのプランです。

長期的(10年以上)に考えて、最も資金が必要になった時に、プラスαを加えた250〜300万円の資金で運用してみるのはいかがでしょうか。

これから先、リーマンショック以上の相場変動がこないとも限りません。

しかし結局のところ、どこまで構えておくかは個人のリスク許容度に寄るところが大きいと思います。(これを言ってしまえばしまえばどうしようもないですが…)

私だったら、ひとまず運用利益を使わず、そのまま運用資金に補填しつつより長期に構える、といった感じですね。

以上、長くなりましたが参考にしていただけると幸いです。

おすすめの記事