トラリピ|複利運用の効果と設定方法を解説

「The most powerful force in the universe is compound interest.」

(宇宙で一番大きな力は複利効果である)

アルバート・アインシュタイン
トラリピを複利で運用するのはどうやろか?

あらゆる投資において複利の恩恵を享受するために、再投資が推奨されています。

当然トラリピにおいてもこの考えは適用でき、長期的に再投資を重ねることで利益を伸ばすことが可能です。

本記事ではトラリピの複利運用の設定方法と、その効果について解説していきます。

結論:トラリピは複利運用を推奨

本記事の結論から述べると、トラリピを長期間運用するなら、複利運用は絶対にしておくべきです。

詳細は後述しますが、CAD/JPYを5年間トラリピで運用した場合、数値的な変化は以下の通りです。

トラリピCAD/JPY:複利運用の効果
  • 平均年利:23.9%→25.4%(1.5%UP)
  • 累計利益:198万→255万(28%UP)

以下のグラフからも複利運用の効果が視覚的に伝わると思います。

5年間(2015〜2019)の運用で、累計利益が28%も上昇しており、なおかつ利益の差は今後とも広がっていくことが予想できます。

複利運用とは

一般的に複利とは以下のように定義されています。

複利とは
  • 運用利益を再投資することで、利益がさらなる利益を生む運用

利益が利益を生み、運用資金は雪だるま式に膨れ上がっていきます。

あらゆる投資で推奨されている運用方法なので、すでにご存知の方が多いかと思われます。

トラリピで複利運用とは

では実際、トラリピで複利運用を取り入れるにはどのようにすればいいのでしょうか?

具体的な運用方法・考え方を紹介します。

トラリピを長期間運用していると、累計利益がどんどん積み重なってくると思います。

例えば、CAD/JPYを5年間運用した時の累計利益は上図のように積み重なっていきます↑(合計198万円)

この積み重なった累計利益を使って、既存のトラリピに加えて、新たにトラリピを追加注文しようという考え方です。

新規トラリピを上乗せを繰り返すことで、累計利益も必然的に大きくなるため、徐々に新規トラリピを追加するペースが加速していくことが理想です。

トラリピで複利運用の設定方法

ここから複利運用のための具体的な設定方法を解説していきます。

とはいっても、非常にシンプルで以下の2点を抑えるだけです。

トラリピ|複利運用の設定方法
  • ロスカットラインを把握する
  • 現在レート付近に新規トラリピを追加

各項目について、それぞれ順に解説していきます。

ロスカットラインを把握する

新規にトラリピを追加するということは、その分リスクも上昇します。

指値トラップが増えるわけなので、運用資金を追加しないのであれば、ロスカットになるリスクが大きくなるのは必然です。

そのため新規トラリピを追加する際には、トラップ1本あたりのロスカットラインを必ず把握する必要があります。

ロスカットラインの把握は、証拠金シミュレーションを使うと便利です。

例えばCAD/JPYであれば、運用資金2万円に対してロスカットラインが66円(最安値:68円代)であることが確認できます。

この2万円ってのは、どうやって決めたん?

この2万という数値は、適当に1万→2万→3万と入力して割り出したものなので、特に根拠があったわけではありません。

こればかりは何回か試してみるしかないと思います。

新規トラリピを追加する際には、ロスカットラインを安全な域に保てる利益が貯まってからにしておきましょう。

現在レート付近に新規トラリピを追加

必要額分の利益が貯まったら、新規トラリピを現在レート付近に1本追加してみましょう。

利益2万円Over→新規トラリピ発注

毎回現在レート付近へ仕掛けるだけなので、シンプルで迷う余地がありません。

現在レート付近以外じゃダメなん?

全パターンを検証したわけではないですが、現在レートに仕掛けた方が、すぐにトラリピが稼働してくれるので、効率が良いと見ています。

例えばCAD/JPYでは、5年間の運用で74〜90円の買いトラリピが以下のように成熟します。

最初は74〜90円まで均等に1本の指値トラップを持っている状態から、最大で1→8本になっている箇所が見受けられます。

つまり相場がそのトラップ付近での値動きが多かったということであり、見当違いのレートへ指値トラップを追加するより、現在レートに追加した方が効率良いことは明らかです。

トラリピで複利効果をバックテストで検証

さてここからバックテストを用いて、複利トラリピの効果を数値的に見ていこうと思います。

バックテストの条件は以下の通りです。

バックテスト条件
  • 運用期間:過去5年間(1H足:2015〜2019)
  • トラップ範囲:最安値と最高値をカバーしてハーフ&ハーフ
  • 指値値幅:0.10円
  • 通貨量:1000通貨
  • 運用手法:利益2万円ごとに現在レートへ新規トラリピ1本追加←Point!

ハーフ&ハーフの設定は以下のイメージになります。

5年間チャート:CAD/JPY

CAD/JPY:通常トラリピ

CAD/JPY:通常トラリピ
  • 累計利益:1976000円
  • 平均年利:23.9%
  • 最大含み損:-1149424円
  • 最大必要資金:1650720円

トラリピで一番推奨している通貨だけあって、運用成績は非常に優秀です。

累計利益も200万近く積み上げられているので、約100本の新規トラリピを仕掛けることができていたことになります。

CAD/JPY:複利トラリピ

CAD/JPY:複利トラリピ
  • 累計利益:2551000円
  • 平均年利:25.4%
  • 最大含み損:-1398120円
  • 最大必要資金:2008216円

通常トラリピと比べ、累計利益および年利どちらも伸びています。

気をつけたいのは最大含み損ですが、実現損益(累計利益+含み損益)を見る限り、問題なさそうです。

続いては、時系列に沿った比較グラフを見てみましょう。

運用推移:通常トラリピ vs 複利トラリピ

年数経るごとに、徐々に累計利益の差が広がっています。

累計利益の数値は、5年間で約25%もの差が着いており、今後の運用結果においても差が広がっていくとみていいでしょう。

まとめ:トラリピの複利運用は効果大

本記事の要点は以下の通りです。

複利運用の設定方法まとめ
  • トラリピ1本あたりのロスカットラインを把握する

複利運用まとめ
  • 平均年利:23.9%→25.4%(1.5%UP)
  • 累計利益:198万→255万(28%UP)

複利運用の重要性が十分に確認できる結果であったと思います。

また今回はCAD/JPYに焦点を当てて議論を進めていきましたが、他の通貨(レンジ相場)で運用しても、運用成績が良くなることが確認できています。

ただし、以下の点にはくれぐれも注意が必要です。

  • ロスカットライン
  • 累計利益の積立具合

再三になりますが、運用資金が伴っていない状態で新規トラリピを追加してしまうと、その分ロスカットのリスクが高まってしまうため、資金管理は入念にすることを推奨します。

参考にしていただけたら幸いです。

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