こんばんわ、アビ(@chan_abi_blog )です。
みなさん本日も順調にトラリピ運用できていますでしょうか?
初心者の方にとって、トラリピ系FX自動売買で最初の関門となるのが通貨ペア選びです。
通貨ペア選びのポイント
どれくらいの運用資金が必要?いくらの利益が得られるの?
含み損の大きさはどのくらい?
含み損は戻ってくるの?
ユーザーの方からすれば、これらの数字を確認した上で通貨ペアを吟味したいのではないでしょうか?
運用資金が同じでも、選ぶ通貨ペアが違うだけで累計利益に数十万円の差がつくこともあったりします。
例:EUR/JPYのバックテスト
EUR/JPYで、以下のようなハーフ&ハーフを設定した場合↓
- 運用期間:直近5年間(2015.4〜2020.4)の1H足
- トラップ範囲:買 110.1円〜125円
- トラップ範囲:売 125.1円〜140円
- 指値値幅:0.10円
- 通貨量:0.1万通貨
バックテスト結果
- 累計利益:2626000円
- 平均利益率:29.0%
- 最大含み損:-1075848円
- 最大必要資金:1810836円
このような感じで、バックテストからそれぞれの数値を割り出すことができます。
本記事では通貨ペアごとの運用推移をまとめ、おすすめ通貨ペアをランキング形式で発表していきたいと思います。
トラリピのおすすめ通貨ペアとは
本記事では通貨ペアごとの運用推移をまとめ、おすすめ通貨ペアをランキング形式で発表していきたいと思います。
その前に、まずは評価基準を定義する必要があります。
『これは良い通貨ペアだ!』『この通貨ペアは微妙そうだな…』と思っても、通貨ペアの良し悪しを判断する基準がなければ、ただの感想に過ぎないですからね。
評価基準1:レンジ相場を形成する通貨ペア
通貨ペア選びで最も重視すべき点は、レンジ相場(為替レートが一定のレート帯を行き来する相場)です。
トラリピでは、レンジ相場に『ハーフ&ハーフ』で指値トラップを仕掛けることが、最も資金効率が良いと結論が出ています。
長期チャートにハーフ&ハーフを仕掛けたイメージ↓
上記の参考記事の検証結果を見て頂ければ分かりますが、『ハーフ&ハーフ』は通常のトラリピと比べ、必要運用資金を約1/3程度に抑えることができます。
よって通貨ペア選びの最重要ポイントは、レンジ相場を形成して『ハーフ&ハーフ』で運用できることです。
評価基準の配点のうち7〜8割を占めているとお考えください。
※上記より、チャートが常に下落基調である新興国通貨に関して本記事では対象外としました。
評価基準2:平均利益率が高い
投資におけるパフォーマンスは、運用資金に対するリターン(利益)で決まります。
そこで本記事でも、通貨ペアの良し悪しを測る目安として、『平均利益率』を評価基準としました。
累計利益が多いほど平均利益率は高く、分母の最大運用資金が多いほど低くなります。
また最大運用資金は、以下の式から算出されます。
つまり含み損が小さく収まる→最大運用資金も小さくなる→平均利益率が高くなるということです。
評価基準3:レンジ幅が狭い
レンジ幅(最高値と最安値の幅)が狭いということは、次の2つのメリットを持っています。
- トラップ本数が少なくて済む→必要証拠金を抑制
- 変動値幅が狭い→最大含み損を縮小
つまり狭いレンジ内で細かく値動きしてくれる通貨ペアが理想です。
レンジ幅と含み損の関係イメージ↓
含み損を抑えれば必要運用資金も少なく済むため、レンジ幅が狭いほど利益率が上がる算段です。
評価基準まとめ
以上をまとめると、おすすめの通貨ペアは次の特徴を合わせ持った通貨ペアです。
おすすめ通貨ペアの特徴
長期間レンジ相場を形成平均利益率が高い
レンジ幅が狭い
またこれらの検証に用いたバックテストツールは、弊ブログより配布しています。(後述)
トラリピユーザーの方は是非使ってみて下さい。
おすすめ通貨ペアをランキング形式で徹底解説
ここから本記事の主題、各通貨ペアについてランキング形式で発表していきます。
各通貨ペアの評価基準となる設定は以下の通りです。
- 運用期間:過去5年間(2015.4〜2020.4)の1H足
- トラップ範囲:最安値と最高値をカバーしてハーフ&ハーフ
- 指値値幅:0.10円(対円) 0.0010ドル(対ドル)
- 利確幅:1000円(対円) 10ドル(対ドル)
- 通貨量:1000通貨
同じ条件でバックテストを行うことによって、通貨ペアごとの特徴を浮き彫りにすることが狙いになります。
それでは早速見ていきましょう。
第1位:CAD/JPY
- 運用期間:直近5年間(2015.4〜2020.4)の1H足
- トラップ範囲:買 74.1円〜88円
- トラップ範囲:売 88.1円〜102円
- 指値値幅:0.10円
- 通貨量:0.1万通貨
バックテスト結果
- 累計利益:1901000円
- 平均利益率:26.8%
- 最大含み損:-969247円
- 最大必要資金:1420163円
評価ポイント
- 超長期のレンジ相場を形成
- 平均利益率26.8%:4/9位
- 最大必要資金:4/9位
- コロナ禍環境でも74円台で厚い買い支え
- 含み損を抱えない(累計利益=実現利益)期間が多々存在
平均年利も高水準で、含み損を抱えない期間が最も多かった通貨ペアです。
また驚くべきことに、直近5年間のチャートからで構築した設定が、そのまま直近10年のチャートにも適用できることです↓
以上の理由から、トラリピを運用する上で最もおすすめな通貨ペアはCAD/JPYと結論づけました。
第2位:NZD/USD
- 運用期間:直近5年間(2015.4〜2020.4)の1H足
- トラップ範囲:買 0.551ドル〜0.670ドル
- トラップ範囲:売 0.671ドル〜0.790ドル
- 指値値幅:0.0010ドル
- 通貨量:0.1万通貨
バックテスト結果
- 累計利益:1459475円
- 平均利益率:26.2%
- 最大含み損:-794342円
- 最大必要資金:1113964円
評価ポイント
- 超長期のレンジ相場を形成
- 平均利益率26.7%:5/9位
- 最大必要資金:1/9位
レンジ幅が小さく必要資金が全通貨中、最少額であることが魅力。
通貨ペアとして長期的に安定しており、直近5年間の設定を直近10年間に拡大しても十分通じる。
2020.5月現在コロナの影響で低迷気味ですがリーマンショック級の暴落を見越しておけば安全に運用できそうです。
第3位:EUR/JPY
- 運用期間:直近5年間(2015.4〜2020.4)の1H足
- トラップ範囲:買 110.1円〜125円
- トラップ範囲:売 125.1円〜140円
- 指値値幅:0.10円
- 通貨量:0.1万通貨
バックテスト結果
- 累計利益:2626000円
- 平均利益率:29.0%
- 最大含み損:-1075848円
- 最大必要資金:1810836円
評価ポイント
- 1通貨あたりのレートが高くボラティリティ高め
- ブレグジットの暴落を経験済み
- 平均利益率29.0%:2/9位
- 最大必要資金:6/9位
ブレグジットの暴落経験が設定に組み込まれているため、コロナ禍において大きく含み損を増えませんでした。
トラリピ通貨の中でも2番目と、高い利益率が魅了。
第4位:EUR/USD
- 運用期間:直近5年間(2015.4〜2020.4)の1H足
- トラップ範囲:買 1.031ドル〜1.14ドル
- トラップ範囲:売 1.141ドル〜1.25ドル
- 指値値幅:0.0010ドル
- 通貨量:0.1万通貨
バックテスト結果
- 累計利益:2109451円
- 平均利益率:33.8%
- 最大含み損:-690534円
- 最大必要資金:1247010円
評価ポイント
- 直近5年:レンジ相場 直近10年:下落基調
- 平均利益率33.8%:1/9位
- 最大必要資金:2/9位
最も平均利益率の高かった通貨ペアですが、直近5年間の設定が上手くハマったパターンです。
10年以上の長期チャートを見ればレンジ相場ではなく、右肩下がりのチャートと認識できるのがマイナス評価。
第5位:AUD/JPY
- 運用期間:直近5年間(2015.4〜2020.4)の1H足
- トラップ範囲:買 60.1円〜79円
- トラップ範囲:売 79.1円〜98円
- 指値値幅:0.10円
- 通貨量:0.1万通貨
バックテスト結果
- 累計利益:2169000円
- 平均利益率:19.5%
- 最大含み損:-1707735円
- 最大必要資金:2224255円
評価ポイント
- 平均利益率19.5%:7/9位
- 最大必要資金:8/9位
- CAD/JPYと似通った値動きで、長期的なレンジ相場を形成
- ボラティリティが大きいので、累計利益と実現利益が時折に大きく乖離するのに注意
利益率・最大必要資金がともに下位ランクですが、10年以上の長期的なレンジ相場を形成しているのが大きな評価ポイントです。
ただし通貨ペアとしてはCAD/JPYと非常に似た動きをしているので、同時に運用してもリスクヘッジにはなりません。
第6位:USD/JPY
- 運用期間:直近5年間(2015.4〜2020.4)の1H足
- トラップ範囲:買 100.1円〜113円
- トラップ範囲:売 113.1円〜126円
- 指値値幅:0.10円
- 通貨量:0.1万通貨
バックテスト結果
- 累計利益:2077000円
- 平均利益率:28.8%
- 最大含み損:-887510円
- 最大必要資金:1441570円
評価ポイント
- 平均利益率28.8%:3/9位
- 最大必要資金:5/9位
- ボラティリティ低め
- 基軸通貨
最もポピュラーな通貨ペアで、直近5年間の利益率は非常に魅力的です。
ただ5年以上の長期間になると、設定レンジを抜ける可能性を考慮して、幅広くトラップを仕掛けることを推奨します。
長期チャートを見れば分かりますが、直近10年間で考えると、現在の設定が機能しないことが懸念されます。
また対称にCAD/JPYの安定性に驚きです。
第7位:NZD/JPY
- 運用期間:直近5年間(2015.4〜2020.4)の1H足
- トラップ範囲:買 66.1円〜79円
- トラップ範囲:売 79.1円〜92円
- 指値値幅:0.10円
- 通貨量:0.1万通貨
バックテスト結果
- 累計利益:1694000円
- 平均利益率:16.8%
- 最大含み損:-1635140円
- 最大必要資金:2012400円
評価ポイント
- 平均年利16.8%:8/9位
- 最大必要資金:7/9位
- 2015〜2019年頃までほぼ含み損抱えず
- コロナ禍で大きく値が崩れた
長期的なレンジ相場を形成していますが、上位互換であるCAD/JPY、AUD/JPYを選べる以上、あえて選ぶ魅力はありません。
NZD/USDとの連動性も高いため、同時に運用するメリットが少ないのも残念なところ。
第8位:AUD/USD
- 運用期間:直近5年間(2015.4〜2020.4)の1H足
- トラップ範囲:買 0.561ドル〜0.690ドル
- トラップ範囲:売 0.691ドル〜0.820ドル
- 指値値幅:0.0010ドル
- 通貨量:0.1万通貨
バックテスト結果
- 累計利益:1337976円
- 平均利益率:19.8%
- 最大含み損:-995949円
- 最大必要資金:1350713円
評価ポイント
- 平均利益率7.6%:6/9位
- 最大必要資金:3/9位
- 長期に渡り緩やかに下落
2011年をピークに緩やかな下落が続いるため、トラリピでの運用は推奨できません。
リスクヘッジとして対ドル通貨を加えた複数通貨運用するのであれば、上位互換のNZD/USDを選べるので、あえて選ぶ理由もないと思います。
第9位:GBP/JPY
- 運用期間:直近5年間(2015.4〜2020.4)の1H足
- トラップ範囲:買 125.1円〜160円
- トラップ範囲:売 160.1円〜195円
- 指値値幅:0.10円
- 通貨量:0.1万通貨
バックテスト結果
- 累計利益:5361000円
- 平均利益率:13.2%
- 最大含み損:-6130950円
- 最大必要資金:8120650円
評価ポイント
- 平均利益率13.2%:9/9位
- 最大必要資金:9/9位
- チャートが長期的に下落基調
値幅が大きすぎるため、トラリピ向きではありません。
ブレグジット以降は120〜160円のレンジ相場を形成しているので、運用するのであれば、ある程度設定レンジを絞ることを推奨。
おすすめ通貨とトラリピ設定について
前節までで紹介した、おすすめ通貨ペアは直近5年の結果であり、設定も一例に過ぎません。
また相場は生き物であるため、最新の値動きを捉えたバックテストが日々必要です。
そこで弊ブログでは、誰でも簡単にバックテストを行えるツール(Excel仕様)を作成致しました↓
上記までの検証結果は、全てこのツールを用いて作成したものです。
本記事をお読みいただいたトラリピユーザーの方にぜひ使っていただき、設定を考えるの一助になれば幸いです。
また良い通貨ペア・設定等を見つけた暁には、Twitter等のSNSでシェアしていただけると、嬉しい限りです。
トラリピ おすすめ通貨ペア まとめ
本記事ではトラリピ運用でおすすめ通貨ペアをランキング形式でお伝えしました。
おすすめの通貨ペアの上位をまとめると以下の通り。
おすすめ通貨ペアランキング 結果
- 1位:CAD/JPY
- 2位:NZD/USD
- 3位:EUR/JPY
初心者の方はこれらの通貨ペアから始めてみてはいかがでしょうか。
これらの通貨ペアを組み合わせた複数通貨ペア運用も検証中ですので、今後記事にしていきたいと思います。
資産運用としてのトラリピFX
注目すべきは、全通貨ペアのバックテスト 結果がプラス収支であることです。
当然これらの結果はトラリピの設定によって変わりますが、マネースクエア の提唱するFXを投資から資産運用へ昇華させる考えはバックテスト結果より明らかです。
まだ始めていない方は、この機会に始めてみてはいかがでしょうか?
トラリピを始めてみたいけど…始めたはいいけど…
等々、トラリピに関する相談であればTwitterアカウント(@chan_abi_blog )にて受け付けています。
バックテスト結果から定量的な提案をさせていただきます。(時間は掛かるかもしれませんが…)