FX自動売買ツールというものをご存知でしょうか?
トラリピもそのうちの一つです。
ただFXと言えば一般的に以下のようなイメージをお持ちかもしれません。
- 大損・借金しそう
- 初心者には難しそう
- モニターに張り付いてポチポチ取引
しかしFX自動売買ツールは、簡単な設定を1度行うだけで上記の問題を一気に解決してくれるものです。
本記事では、代表的なFX自動売買ツール『トラリピ』の仕組み・メリット・デメリットについて解説していきます。
FX自動売買ツール『トラリピ』とは
詳しい機能説明を飛ばして、トラリピを一言で表すなら以下に要約されます。
- 通貨を安い時に買って、高くなったら売る、を自動的に繰り返し行うツール
↓90秒で分かるトラリピ解説の公式動画
それでは順を追って、詳しい機能や仕組みを解説していきます。
トラリピとレンジ相場
為替相場の7割がレンジ相場と呼ばれるものです。
- 為替レートが一定の価格帯を行き来する相場
トラリピは値動きが往復するレンジ相場の特徴を活かして、利益を狙う仕組みです。
上図のレンジ相場に、売買するライン(トラップ)を仕込んでみましょう。
赤のラインで買って→青のラインで売る、トラリピはこうした設定を一度行うことで、取引を自動的に繰り返します。
過去5年間でどれくらいの利益になる?
次に気になるのが、実際どれくらい儲かるのか?ということではないでしょうか。
その疑問にお答えすべく、トラリピで得ることができた利益を過去5年間遡ってバックテスト(検証)してみます。
取り扱う通貨ペアはカナダのCAD/JPYを採用します。
トラリピで取り扱っている通貨ペアの中で、とくに綺麗なレンジ相場を形成している通貨ペアです。
レンジ相場内に設定するトラリピは、上図のようにハーフ&ハーフと呼ばれる取引手法を使って、長期チャートの上下半分ずつに買い・売りトラリピを設定します。
前節で図示したトラップをチャート下半分に買いで160本+上半分に売りで160本ずつ等間隔で仕込むイメージです。
トラリピの設定は以下の通りです。
実際に運用してみると分かりますが、同じ設定にすることで、誰でも同じ利益になります。
- 通貨ペア:CAD/JPY
- 運用期間:過去5年間(2015.4〜2020.4)
- 検証データ:1時間足
- トラップ範囲:買 74.1円〜90円
- トラップ範囲:売 90.1円〜106円
- 指値値幅:0.10円
- 通貨量:1000通貨
それでは実際にCAD/JPYをトラリピで運用していた場合、どれくらい利益を得ていたか、以下に時系列グラフを示します。
- 累計利益:1870000円
- 平均年利:20.9%
- 最大含み損:-1267707円
- 最大必要資金:1789863円
最大運用資金180万円に対して、5年間で約187万円もの利益を積み上げています。
2020.5現在のコロナ禍においても、安定して利益を出しており、運用利益が長くなるほど利益が積み重なっていく仕組みです。
トラリピのメリット・デメリット
さてトラリピの仕組みや実用性について説明したところで、今度はトラリピを運用するメリット・デメリットについて深掘りしていきます。
トラリピのメリットは以下の通り。
- 相場を予想しなくて良い
- 誰でも真似できる再現性の高さ
- 決済トレールでトレンド相場に強い
トラリピのデメリットは以下の通り。
- ロスカットされるリスク
- つねに含み損を抱える運用
これらについて、それぞれ順に解説していきます。
メリット1:相場を予想しなくて良い
トラリピはレンジ相場全体に、指値トラップを均等に並べる運用スタイルです。
設定した範囲内の値動きであれば自動で売買をしてくれるので、相場を予想したり、チャートに張り付く必要はありません。
ただし設定レンジが小さすぎたり、レンジから逸脱した際は設定を見直したり、運用資金を追加するなど、都度メンテナンスが必要です。
メリット2:真似できる再現性の高さ
トラリピは設定した各項目に従って自動売買するので、誰でも同じ利益になります。
前節で検証したCAD/JPYのトラリピは上図のような設定で5年間運用し、180万円の運用資金に対して187万円の利益を積み上げることができていました。
この運用結果は、誰でも同じ設定であれば同じ利益になるため、初心者にとっても非常に始めやすい投資です。
メリット3:決済トレールが使える
トラリピ最大の強みは『決済トレール』にあります。
- 決済価格がトレンドを追いかけて利益の最大化を狙う機能
通常のトラリピは買って売ってを繰り返して、利益を積み重ねていきます。
しかし、ここで以下のパターンも考えられます。
この取り損ねた利益を極力少なくしてくれるのが決済トレールの役割です。
決済トレールを導入することで、上昇トレンドに沿って決済価格を移動させます。
最終的に上昇トレンドが終了し、下降するタイミングで売り決済を行います。
『決済トレール』でどれくらい利益が伸びるのか、akilogのあっきん氏が検証されていますので参考になると思います。
※参考記事
デメリット1:ロスカットのリスク
FXである以上、過度なレバレッジで運用するとロスカットされるリスクがあります。
- 一定の損失が発生した際に、これ以上損失が拡大しないよう強制的に決済するルール
長年コツコツ利益を積み重ねても、一度のロスカットで全てを吹き飛ばしては意味がありません。
ロスカットのリスクについては以下の記事にまとめましたので、参考にしていただけると幸いです。
デメリット2:つねに含み損を抱える
トラリピは設定した利益に到達するまで、ひたすら待ち続ける運用です。
大抵は上図イメージのように、買った通貨が決済に到るまでには、どうしても含み損が発生しやすい構造になっています。
含み損を抱えているうちは、他の投資に鞍替えすることは難しいので、運用を始めるなら長期的な目線で始めることを推奨します。