
こんばんわ、アビ(@chan_abi_blog )です。
みなさん、本日もトラリピを上手く使いこなせていますでしょうか?
設定や通貨ペアの選定、資金管理などトラリピを使いこなす要素は様々ですが、とりわけ『ハーフ&ハーフ』の活用は必須です。
本記事では、トラリピ本家のマネースクエアも推奨する運用手法『ハーフ&ハーフ』の特徴やメリットについて、バックテストの検証結果を用いて解説していきます。
トラリピ運用手法『ハーフ&ハーフ』とは?
- 設定レンジを半分に分け「上半分」を売り、「下半分」を買いのトラップを仕掛ける運用手法

過去10年チャート上に『ハーフ&ハーフ』を仕掛けるとしたら、こんな感じになります。↓

長期チャートを真っ二つに分けて、その半々で買い・売りトラリピを仕掛けるわけですね。
ハーフ&ハーフのメリット
ハーフ&ハーフのメリットは以下の通りです。
- 含み損を抱えにくい構成
- 必要運用資金を1/3に減らせて利回りUP
それぞれの特徴について、具体的な数値やバックテストを用いて解説していきます。
※バックテスト…どの程度パフォーマンスが得られるか過去データを用いたシミュレーション
ハーフ&ハーフは含み損を抱えにくい
試しにハーフ&ハーフを仕掛けず、買いトラリピのみで運用した場合について考えてみます。
チャート上に仕掛ける買いトラリピのイメージ↓

バックテストで使用した設定数値(パラメータ)↓

シミュレーション結果は以下の通りです。
※付与スワップは考慮していません。


10年間の累計利益は約230万円に対して、それ以上に含み損を抱えているため、実現損益はマイナス収支です。
なぜなら高値圏で掴んだポジションは、それを上回るレート帯に到達しない限り決済されないため、そこから安値圏まで下落すると、含み損は雪だるま式に増えていくというわけです。
ではハーフ&ハーフで運用した場合はどうでしょうか。
チャート上に仕掛ける買いトラリピのイメージ↓

バックテストで使用した設定数値(パラメータ)↓

シミュレーション結果は以下の通りです。
※付与スワップは考慮していません。


累計利益は最大含み損を上回っており、10年間ほぼプラス収支になっています。
またハーフ&ハーフ戦略では、高値圏・安値圏で掴んだポジションも、為替レートが設定レンジの中央付近に戻って来れば決済される仕組みです。
そのため含み損も抱えにくく、必要資金も大幅に抑えることが可能です。
必要証拠金1/3に減らせて利回りUP
さて、改めて両注文方式の運用結果を見比べてみます。

やはり最大のポイントは、最大含み損を大幅に減らせているので、必要資金が1/3になっていることです。
また仕掛けるトラップの本数も同じ=利益も同じなので、単純に年利も3倍になっています。
以上の結果から、トラリピの運用においてハーフ&ハーフを使わない手はありません。
ハーフ&ハーフのデメリット
ここからはハーフ&ハーフのデメリットについて解説します。
- ロスカットラインがレンジの上下に存在する
- マイナススワップによる運用コストが掛かる
デメリットといっても、メリットに比べほんの些細なものでしかありません。
ロスカットラインがレンジの上下に存在
通常であれば、買い・売りトラリピそれぞれ逆トレンド方向にロスカットラインが存在します。
そのため2つの注文を同時に仕掛けるハーフ&ハーフにはそれぞれの注文にロスカットラインが発生します。

とは言え、単純にロスカットされる可能性が2倍になるというわけではありません。
一方のロスカットラインに近いということは、もう一方で含み益、もしくは利確して口座資金が増えており、証拠金維持率に余裕が出ている可能性が高いからです。
マイナススワップによる運用コスト
トラリピの運営元であるマネースクエアは、今の所スワップポイントに特化しているとは言えない状況です。
例えばAUD/JPYの付与スワップをみてみましょう。

ハーフ&ハーフでは買い・売りどちらのポジションも保有する可能性があるのに対し、付与スワップは均等ではありません。
つまりマイナススワップが付くポジションを多く保有すれば、口座資金が日々削られていくので、精神衛生上良くないかもしれません。
ハーフ&ハーフおすすめ通貨ペアと使い方
使用例1:レンジ相場を形成する通貨ペアを狙う

トラリピでは掴んだポジションが決済されなければ利益になりません。
また一度含み損を抱えても将来的に為替レートが戻ってくる見込みがあれば、損切りを行う必要もありません。
つまり『ハーフ&ハーフ』×『レンジ相場』であれば、含み損を抱えにくく、また利益を取りやすいのです。
使用例2:レンジ相場+レンジ相場の複数通貨でハーフ&ハーフ
ハーフ&ハーフを複数通貨に適用することで、より利益を得やすくすることができます。

イメージとしてはこんな感じです。
これをEUR/JPY・AUD/JPYに適用したのが以下のイメージ。

チャートを見てわかる通り、EUR/JPYが買いトラップ帯にいるときはAUD/JPYが売りトラップ帯にいます。
つまり円高・円安どちらに進んでも利益を取ることができます。
この考え方をさらに進展させたものが『すくみ』と呼ばれる運用手法です。
- 複数の通貨を組み合わせて、通貨同士を補完することで、リスクを分散させる運用手法
※トラリピの『すくみ』についてはコチラ
トラリピ ハーフ&ハーフ まとめ
本記事ではトラリピのハーフ&ハーフ戦略のメリットについてまとめました。

再掲になりますが、見比べてみると資金効率が圧倒的に違うことがわかります。
今後もハーフ&ハーフを基本に設定を構築し、また複数通貨での運用シミュレーションも更新していく予定なので、参考にしていただけると幸いです。