
弊ブログでオススメしている不労所得の一つにスワップ投資があります。
高金利通貨を積立て日本円との金利差から収入を得る手法ですが、いざスワップ投資を始めようと思っても、どの通貨を買うべきか初心者のうちは悩ましいかと思われます。
※スワップ投資については下記の記事を参考にしていただけると幸いです。
スワップ投資は長期的な運用を前提としているので、長期に渡って安定した経済状態を維持できる国を慎重に吟味する必要があります。
そこで本記事では、国の経済事情を示唆する国債格付けについて解説します
国債格付けとは何か
国債格付けとは、国にお金を貸して真面目に返してくれるかについての信用度を記号でレーティングしたものです。
ドイツやオーストラリアように信用度の高い国へ金を貸した場合、国が財政破綻しない限り、利子を上乗せした上できちんと返済してくれます。
一方で信用度の低い国、つまり国債格付け低評価の国が財政破綻に陥った場合、持っている株・債権が紙くずになりかねません。
国が財政破綻しない安定性の目安として、専門の格付け機関が、国や会社ごとの信用具合を公表してくれているのです。

国の信用度を重視する考え方はスワップ投資にも通づる所があります。
通貨価値は基本的に国の情勢を反映しており、安定している国ほど通貨下落のリスクは少ないです。
高金利だからという理由で、格付け低評価の国にスワップ投資をしても将来的に得られる恩恵はマイナスになる公算大です。
米2大格付け会社『Moody’s』『S&P』

米2大格付け会社の一つで、各国の債権について戦前から調査を行ってきた長い歴史を持っています。
格付け機関として、長らく権威の座に居ましたが、リーマンショック時に発端のサブプライムローン関連の債権に、最高評価を与えていたことで、格付け機関としての信頼性を問われた経緯があります。

こちらも米2大格付け会社の一つで、もっとも厳しい格付けをつける傾向があり、株式指数『S&P500』を発表している機関です。
世界の株価に多大な影響を与える指数を公表している機関ですが、データの算出ミスによって米国の債権評価を大きく見誤った過去があり、忠告を受けています。
格付け会社対応表
Moody’s | S&P |
Aaa | AAA |
Aa1 | AA+ |
Aa2 | AA |
Aa3 | AA- |
A1 | A+ |
A2 | A |
A3 | A- |
Baa1 | BBB+ |
Baa2 | BBB |
Baa3 | BBB- |
Ba1 | BB+ |
Ba2 | BB |
Ba3 | BB- |
B1 | B+ |
B2 | B |
B3 | B- |
注意しなければならないのが、格付け機関は国や会社の信用度合いをレーティングして公表していますが、必ずしも絶対的なものであるとは限りません。
あくまで民間企業アナリストの意見であり、機関ごとに意見がばらつくことや予想が外れたり、人為的なミスも起こり得ます。
しかしながら、根拠もなしに資金を投入すると痛い目に合うので、国際的な格付け機関が長期間に渡って、最高評価と判断している国には信じるに値すると考えています。
日本の国債格付け『A+』の理由

日本のS&P評価は『A+』となっています。
悪くはない評価ですが、最高評価から数えて5番目で極めて安定的と言えるわけではありません。
食料も物資も豊かで、治安も世界的高水準の日本で暮らしている我々からすると、少々意外な評価かと思います。
主な評価理由を説明するために、平成30年度予算案を引用してきました。

歳出に注目すると、約55%が社会保障料、借金返済など削減し難い項目に割り当てられており、歳入の34.5%も借金で賄っています。
中でも「社会保障料費」が33.7%と大きく国の予算を大きく圧迫している状態であり、今後も少子高齢化に伴いさらに拍車がかかる見込みです。
歳入についても、4割を公債金と言う名の借金で賄っている点や、増税した税金から捻出している状態です。
つまり財政収支は赤字続きで、一時しのぎ的に安定的を保っている状態です。
国債格付けから見る不労所得の作りかた

スワップ投資するなら国債格付けが最高ランクの国へ
スワップ投資は長期間の運用で、スワップ収入を得続ける戦略ですが、最終的に為替差益で負けてしまっては本末転倒です。
スワップ投資で安定的な収入源を作るなら、国債格付け評価『AAA』ランクのオーストラリア、カナダがオススメです。
格付け機関から最高ランク評価を受けた国は、安定した経済を形成している証拠であり、通貨が大きく下落する可能性は低いことが大きな理由です。
将来の円安に備える
買う通貨だけに注目するのではなく、売る通貨の格付けもチェックしておきましょう。
我々日本人にとって、大概の場合売り通貨が日本円になります。
日本の国債格付け評価は『A+』と悪くはないですが、世界的に見ると極めて安定的であるというわけではありません。
従来では『有事の円買い』とあるように、景気後退局面では日本円が買われてきましたが、今後の日本の経済見通しは厳しく、将来的に日本円の価値は徐々に下落していくことが見込まれます。
売っている通貨が下落すれば、相対的に買った通貨が上昇するので、円の価値が落ちないうちから徐々にスワップ投資を積み立てましょう。