国の経済を見通す上で人口は重要な指標の一つです。

人口が重要であると言っても、単に人が多ければ言い訳ではありません。

管理人
人口増加=経済成長じゃないの?

人口が多い国が経済成長に貢献するのであれば、人口が13億を超える中国・インドは早々に世界経済を牽引する存在(アメリカ:3億)になっていたはずです。

経済成長に重要なのは、「若い労働力」とそれを活かす「雇用環境」があって初めて好景気が生まれます。

本記事では、経済成長の引金となる「人口ボーナス」について解説します。

経済と人口について

人口ボーナスとは、ハーバード大学のデービッド・ブルーム氏が提唱した

総人口に対して生産年齢人口の割合が増え、経済成長を促す現象です。

分かりやすく言うと、子供・高齢者より、働くことのできる世代(生産年齢人口:15〜64)の割合が増えて経済が後押しされる状態です。

人口増加≠経済成長

勘違いしてはいけないのが、人口増加が必ずしも経済成長に直結しないという点です。

極端な例を言えば、日本で人口が1億→2億になったとして、増えた1億人が全て高齢者だとしたら、医療費、社会保障費が増え流ばかりで、経済成長は鈍る一方です。

純粋に労働人口がそのまま1億人増えた場合はどうでしょうか。

一昔前の中国がまさにその状態でしたが、経済成長で注目されるようになったのは最近になってからです。

その間中国で何が起きていたかというと、増加した労働力が繊維など軽工業に吸収され、急速な工業化を遂げました。

さらに自動車など、より生産性の高い製造業に従事することで庶民の収入も増え、購買力も上昇、

まさに好景気の循環を生み出しました。

つまり人口ボーナスと、それを活かせる雇用環境が同時期に相成すことが経済成長にとって重要なのです。

日本の人口ボーナス=高度経済成長期

日本の人口ボーナスは1950年代前半から70年代後半までの高度経済成長期に迎えています。

高度経済成長期は、日本人特有のものづくり分野が経済を支え、好景気をもたらしたと思われがちです。

しかし実際は日本が人口ボーナス迎えた結果に他なりません。

(出典)総務省「国勢調査」第1部 特集 データ主導経済と社会変革

高度経済成長期前後の人口構成グラフに注目すると、総人口の割合に比べ生産年齢人口(15〜64歳)の割合が高いです。

また高齢者の割合も低く、財政を圧迫する医療費や社会保険料が少ない状況であったため、労働者は働けば働くほど豊かになっていきました。

各国の人口ボーナス時期

各国の人口ボーナス時期を把握しておくことは非常に重要です。

弊ブログでは、高金利通貨の積み立てによるスワップ金利不労所得の構築を勧めていますが、投資先の国の将来を見通すため、各国の人口情勢は重要な指標になります。

スワップ投資は数十年単位での長期間を見越しての運用になりうるため、一国に対して人口ボーナスを狙った投資は一度しか行えません。

本節では、高金利通貨として注目されているトルコ・メキシコ・南アフリカの新興国3国の人口ボーナスを解説します。

また、本記事冒頭でも触れていますが、人口ボーナス=経済成長ではありません。

その状況にあった、雇用環境、政治体制、経済政策を行なって初めて人口ボーナスの恩恵を受けることができます。

トルコ

人口ボーナス:1965年〜2025年

残念ながらトルコはあと数年で人口ボーナスが終了してしまいます。

2019年になってから失業率の増加が見られ始め、また今後の生産年齢人口の割合が減少することを考えると、今までのような経済成長を維持するのは困難であることが推察できます。

また経済成長や国勢は通貨の価値にそのまま反映されますので、スワップ金利狙いでの長期投資は今後厳しく、チャートの右肩下がりは継続する見通しです。

南アフリカ

人口ボーナス:1965年〜2045年

アフリカ諸国の経済成長は、社会基盤が人口増加に追いつけるかに掛かっています。

社会基盤が伴わない中で、人口だけが増加すると、国の経済圧迫→経済鈍化するなど悪影響も考えられます。

また同時期に、インド、インドネシア、ベトナムなどアジア諸国次々に人口ボーナスによる経済成長を迎えるという点も懸念材料の一つです。

アジア諸国が経済大国として頭角を示すと、アフリカ諸国参入は厳しく、結果として「世界の工場」と呼ばれるまでのものはアフリカに出現しないことになります。

メキシコ

人口ボーナス:1965年〜2030年

スワップ狙いで新興国に投資するなら、私はメキシコを選びます。

メキシコ推しの理由について記事を書いてますので、参考にしていただけると幸いです。

メキシコはまさにこれから人口ボーナスの恩恵を受ける国です。

最近では、トランプ大統領のメキシコに対する関税問題でメキシコペソが揺らいでいますが、2030年までの今後10年間で見ればメキシコペソの価値は今以上に上がります。

社会基盤の安定、生産年齢人口も多さと、人口ボーナスの条件が揃っていることと、これから人口オーナスに入る日本円の価値が下がるからです。

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